【令和5年分年末調整解説⑤】「生命保険料控除」「地震保険料控除」などを徹底解説!

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令和5年分年末調整解説④では、「基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書」について解説しました。

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今回、解説するのは、「保険料控除申告書」についてです。

「保険料控除申告書」とは、こんな書類です。

この申告書、記載する項目が多いですし、難しそうですよね……

ただ、しっかりと各控除について理解すれば難しいことはありません。

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今回もわかりやすく解説しますので、安心してください。

申告書控除
令和5年分 扶養控除等申告書扶養控除、障害者控除、寡婦控除、ひとり親控除、勤労学生控除
令和5年分 基礎控除申告書兼配偶者控除等申告書兼所得金額調整控除申告書基礎控除、配偶者控除、配偶者特別控除、所得金額調整控除
令和5年分 保険料控除申告書生命保険料控除、地震保険料控除、社会保険料控除(申告分)、小規模企業共済等掛金控除(申告分)
令和5年分 住宅借入金等特別控除申告書(特定増改築等)住宅借入金等特別控除
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上記の表のうち、黄色いマーカー部分が、今回説明するところです。

この記事でわかること
  • 控除とは何なのか?
  • 「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の概要
  • 「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」の金額
  • 保険料控除申告書の書き方

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目次

そもそも控除って何なのか?(他の記事でも同様の解説をしています。)

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他の記事でも同様の解説をしていますので、見たことがある方は読み飛ばしてください。

保険料控除について説明する前に「そもそも控除って何なのか?」ということについて説明します。

ある従業員の収入が給料のみとすると、給与所得にかかる所得税の計算は、以下のようになります。

所得税=給与所得×所得税率

この給与所得というのは、給与収入とイコールになりません。

給与所得とは、下記の通り、給与収入から「給与所得控除」と「所得控除」を差し引いて計算します。

給与所得=給与収入-給与所得控除-所得控除

給与所得控除とは……

給与所得控除とは「サラリーマンの必要経費として、概算で差し引くことができる控除」で、下記の通り、給与収入の金額に応じて、差し引くことができる金額が決まっています。

例えば、年収500万の従業員の給与所得控除は、以下の通り、144万になります。

5,000,000×20%+440,000=1,440,000

所得控除とは……

所得控除とは、納税者の個々の事情に合わせて、所得を減らすことができる制度で、年末調整で書類を提出することによって受けることができるものがほとんどです

年末調整で言っている控除とは、基本的に、この所得控除のことを言っています。

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今回、説明する「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」は、この所得控除の一つになります。

生命保険料控除

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まずは、生命保険料控除から説明します。

生命保険料控除とは?

生命保険料控除は、払い込んだ生命保険料に応じて、契約者が一定の金額の所得控除を受けられるものです。

控除を受けることができる生命保険の種類は以下の3種類です。

  • 一般の生命保険
  • 介護医療保険
  • 個人年金保険

生命保険料控除は、「平成24年1月1日以後に締結した保険契約等に係る保険料」「平成23年12月31日以前に締結した保険契約等に係る保険料」で、取扱いが異なります。

生命保険料控除の金額

生命保険料控除の金額は、各控除の額を、以下の計算式に当てはめて、計算した金額を合計します。

合計金額が120,000円を超える場合は、120,000円が控除の限度額になります。

新契約(平成24年1月1日以後に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額

年間の支払保険料等控除額
20,000円以下支払保険料等の全額
20,000円超 40,000円以下支払保険料等×1/2+10,000円
40,000円超 80,000円以下支払保険料等×1/4+20,000円
80,000円超一律40,000円
支払保険料等とは……
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その年に支払った金額から、その年に受けた剰余金や割戻金を差し引いた残りの金額のことです。

具体例

以下の、新契約の生命保険を支払っていたとします。

  • 一般の生命保険 120,000円
  • 介護医療保険 15,000円
  • 個人年金保険 60,000円
(1)一般の生命保険の控除額

支払保険料(120,000円)が80,000円超のため、控除額は40,000円

(2)介護医療保険の控除額

支払保険料(15,000円)が20,000円以下のため、控除額は支払保険料全額の15,000円

(3)個人年金保険の控除額

支払保険料が60,000円のため、控除額は「60,000円×1/4+20,000円」の35,000円

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契約する生命保険が、新契約のみの場合は、(1)40,000円+(2)15,000円+(3)35,000円の合計額90,000円が控除額になります。

旧契約(平成23年12月31日以前に締結した保険契約等)に基づく場合の控除額

年間の支払保険料等控除額
25,000円以下支払保険料等の全額
25,000円超 50,000円以下支払保険料等×1/2+12,500円
50,000円超 100,000円以下支払保険料等×1/4+25,000円
100,000円超一律50,000円
具体例

以下の、旧契約の生命保険を支払っていたとします。

  • 一般の生命保険 120,000円
  • 介護医療保険 15,000円
  • 個人年金保険 60,000円
(1)一般の生命保険の控除額

支払保険料(120,000円)が100,000円超のため、控除額は50,000円

(2)介護医療保険の控除額

支払保険料(15,000円)が25,000円以下のため、控除額は支払保険料全額の15,000円

(3)個人年金保険の控除額

支払保険料が60,000円のため、控除額は「60,000円×1/4+25,000円」の40,000円

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契約する生命保険が、旧契約のみの場合は、(1)50,000円+(2)15,000円+(3)40,000円の合計額105,000円が控除額になります。

新契約と旧契約の双方に加入している場合の控除額

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介護医療保険は新契約のみになりますので、「一般の生命保険」と「個人年金保険」の場合について説明します。

一般の生命保険料控除の控除額
  • 旧生命保険料控除の年間支払保険料等の金額が60,000円を超える場合

    「旧契約に基づく場合の控除額」で計算した金額(最高50,000円)
  • 旧生命保険料控除の年間支払保険料等の金額が60,000円以下の場合
    「新契約に基づく場合の控除額」+「旧契約に基づく場合の控除額」で計算した金額(最高40,000円)
具体例1 「新生命保険料30,000円」「旧生命保険料80,000円」を支払った場合

支払った旧生命保険料が60,000円を超えているため、「旧契約に基づく場合の控除額」についてのみ計算

80,000×1/4+25,000円=45,000円が控除額

具体例2 「新生命保険料30,000円」「旧生命保険料50,000円」を支払った場合

支払った旧生命保険料が60,000円以下のため、「新契約に基づく場合の控除額」+「旧契約に基づく場合の控除額」で計算

(30,000円×1/2+10,000円)+(50,000×1/2+12,500円)=62,500円となり、限度額40,000円を超えているため、控除額は40,000円

個人年金保険料控除の控除額
  • 旧個人年金保険料控除の年間支払保険料等の金額が60,000円を超える場合

    「旧契約に基づく場合の控除額」で計算した金額(最高50,000円)
  • 旧個人年金保険料控除の年間支払保険料等の金額が60,000円以下の場合
    「新契約に基づく場合の控除額」+「旧契約に基づく場合の控除額」で計算した金額(最高40,000円)

地震保険料控除

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次は、地震保険料控除を説明します。

地震保険料控除とは?

地震保険料控除は、その年に支払った地震保険の保険料などについて、一定の金額の所得控除を受けることができるものです。

旧長期損害保険に係る経過措置

平成18年分までは、損害保険料控除というものがありましたが、平成19分年より廃止されました。

その経過措置として、以下の要件を満たす一定の「長期損害保険契約等に係る損害保険料」については、地震保険料控除の対象とすることができます。

  • 平成18年12月31日までに締結した契約(保険期間または共済期間の始期が平成19年1月1日以後のものは除く)
  • 満期返戻金等のあるもので保険期間または共済期間が10年以上の契約
  • 平成19年1月1日以後にその損害保険契約等の変更をしていないもの

地震保険料控除の金額

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地震保険料控除の金額は、以下の通りです。

区分年間の支払保険料の合計控除額
(1)地震保険料50,000円以下支払金額の全額
50,000円超一律50,000円
(2)旧長期損害保険料10,000円以下支払金額の全額
10,000円超
20,000円以下
支払金額×1/2+5,000円
20,000円超15,000円
(1)・(2)両方がある場合(1)、(2)それぞれの方法で計算した金額の合計額(最高50,000円)
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「一の損害保険契約等」または「一の長期損害保険契約等」に基づき、「地震保険料」と「旧長期損害保険料」の両方を支払っている場合には、「地震保険料」または「旧長期損害保険料」のどちらかの控除を受けることとなります。

社会保険料控除

社会保険料控除とは?

社会保険料控除は、その年に支払った社会保険料の全額を所得から控除することができるものです。

自分で支払った社会保険だけでなく、「生計を一にする配偶者」や「その他の親族」が負担する社会保険を支払った場合にも控除を受けることができます。

社会保険料控除の金額

  • その年に実際に支払った金額の全額
  • 給与や公的年金等から差し引かれた金額の全額

社会保険料控除の対象となる保険料は?

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かなり広範囲にわたるため、一部をご紹介します。

国民年金保険料

毎年、10月中旬から11月上旬くらいに「国民年金保険料控除証明書」がご自宅などに送られてきます。

この書類を添付資料として、控除を受けます。

国民健康保険料

国民年金とは違い、控除証明書などはありません。

ご自身で、その年に支払った金額を把握する必要がありますが、メモ書きや領収書を保管しておくなどしておきましょう。

「国民健康保険料納付済額証明書」という書類を役所から取り寄せることもできますが、上記を行っていれば、特に取り寄せる必要はありません。

労働保険料

労働保険とは、「労災保険」と「雇用保険」のことです。

労災保険は、通常会社が全額負担のため、社会保険料控除の対象になりません。

しかし、「一人親方」や「中小企業の役員で労災保険の特別加入」をしている方は、ご自身で負担している保険料が控除対象になります。

国民年金基金の掛金

国民年金基金に加入している場合は、掛金の全額を控除することができます。

10月中旬から11月上旬くらいに控除証明書が送られてきます。

給料から天引きされている社会保険料

給料から天引きされている社会保険料については、年末調整事務担当が給料のデータをもとに、控除の処理をしてくれますので、保険料控除申告書に記載する必要はありません。

むしろ、記載してしまうと、給料のデータからの処理と二重で控除してしまう可能性がありますので、気をつけましょう。

小規模企業共済等掛金控除

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最後に、小規模企業共済等掛金控除について説明します。

小規模企業共済等掛金控除とは?

小規模企業共済等掛金控除は、小規模企業共済法に規定された共済契約に基づく掛金等を支払った場合に受けられる所得控除です。

具体的には、以下の3つが小規模企業共済等掛金です。

  • 小規模企業共済の掛金
  • iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金
  • 心身障害者扶養共済制度の掛金
小規模企業共済
  • 中小機構という国の機構が運営
  • 小規模企業の経営者、役員、個人事業主のための積立による退職金制度
  • 月々の掛金は1,000円~70,000円まで自由に設定可能
iDeCo(個人型確定拠出年金)
  • 確定拠出年金法に基づいて実施されている私的年金の制度で、加入は任意
  • 掛金は65歳になるまで拠出可能であり、60歳以降に老齢給付金を受け取ることができる
心身障害者扶養共済制度
  • 障害のある方を育てている保護者が毎月掛金を納める
  • 保護者が亡くなった時などに、障害のある方に対し、一定額の年金を一生涯支給するというもの

小規模企業共済等掛金控除の金額

小規模企業共済等掛金で控除できる金額はその年に支払った掛金の全額です。

保険料控除申告書の書き方

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ここでは、「保険料控除申告書」の書き方について、国税庁ホームページに掲載されている記載例を用いて解説します。

「保険料控除申告書」の記載例の全体像はこんな感じです。

1.氏名、住所などの記入

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まずは、保険料控除申告書の上部にある住所、名前などの基本情報を記載します。

氏名、住所などの記載例

  • 所轄税務署長は、会社の所在地等を管轄する税務署長を記載します。もし、分からない場合は、会社の年末調整担当の方に確認しましょう。
  • 法人番号は、会社が記入するところになりますので、記載しなくても大丈夫です。

2.生命保険料控除

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次に、申告書左側の生命保険料控除について記載します。

生命保険料控除額の記載例

  • (1)保険会社等の名称、保険等の種類などを「生命保険料控除証明書」や「契約証書」などを参考に記載しましょう。
    (2)「新・旧」の区分は、生命保険料控除証明書等を参考にして記載します。
    (3)生命保険料控除を受けるには、保険金等の受取人は「本人」または「本人の配偶者」や親族(個人年金に限っては、親族は除きます。)であることが必要になります。
  • 一般の生命保険料の記載方法や計算方法については、上記画像の②を参考にしましょう。
  • 介護保険料の記載方法や計算方法については、上記画像の③を参考にしましょう。
  • 個人年金保険料の記載方法にや計算方法ついては、上記画像の④を参考にしましょう。
  • 生命保険料控除額の記載方法や計算方法については、上記画像の⑤を参考にしましょう。
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申告書の提出と併せて、生命保険料控除証明書を提出しましょう。

地震保険料控除など

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最後に、「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」について記載します。

地震保険料控除、社会保険料控除、小規模企業共済等掛金控除の記載例

  • 地震保険料控除
    (1)保険会社等の名称、保険等の種類などを「地震保険料控除証明書」や「契約証書」などを参考に記載しましょう。
    (2)「地震保険料控除又は旧長期損害保険料区分」欄には、地震保険料控除証明書等に記載されている適用制度の区分に丸を付けます。
    (3)保険等の対象となった家屋等に「居住」または「家財」を利用している人は、「本人」または「本人と生計を一にする親族」であることが必要になります。
    (4)その他、地震保険料控除の申告書の書き方については上記画像①の右上を参考にしましょう。
  • 社会保険料控除
    (1)国民年金保険料など、自身が直接払った社会保険料を記載しましょう。
    (2)給与から天引きされた社会保険料は記載しないようにしましょう。
  • 小規模企業共済等掛金控除
    (1)iDeCo(個人型確定拠出年金)の掛金など、自身が直接払った小規模企業共済等掛金を記載しましょう。
    (2)給与から天引きされた掛金などは記載しないようにしましょう。
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申告書の提出と併せて「地震保険料控除証明書」「国民年金控除証明書」「 小規模企業共済等掛金払込証明書」などを提出しましょう。

まとめ:控除証明書を紛失しないように保管して「保険料控除申告書」にしっかり記入しよう

今回解説した「生命保険料控除」「地震保険料控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛金控除」は、一見複雑で難しく見えてしまいます。

ただ、申告書には、詳細な説明もありますので、その説明をよく見ながら、記載することで間違いなく控除を受けることができるようになっています。

また、控除証明書などは自宅に届いたら、しっかりと保管しておかなければなりません。

もし、紛失などしていたり、見当たらないようでしたら早い段階で、再発行を依頼するようにしましょう。

また、会社内で年末調整事務を行う方は保険料控除申告書を従業員から預かって、手続きをする際に、これらの控除のことがよくわかっていないと、計算間違いが生じる恐れがあります。

そのような可能性がある方は、ぜひ税理士にご相談されることをお勧めします。

当事務所でも、顧問契約の中で、年末調整の対応をしておりますので、顧問契約をご検討いただける方は、まずは、下記の初回無料面談にぜひお問い合わせください!

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この記事を書いた人

ebitaxのアバター ebitax 代表税理士

1987年生まれ。千葉県千葉市出身。海老名オンライン税理士事務所・代表税理士。東京税理士会豊島支部所属(税理士登録番号142906)ひとり社長専門の税理士として、オンラインツールを駆使して、リーズナブルな顧問料でも代表税理士がお客様の担当になる。

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