こんにちわ!ひとり社長専門税理士の海老名佑介です!(プロフィールはこちら!)
2024年から電子帳簿保存法が始まり、紙の書類は全てスキャナにかけなきゃいけないって本当ですか?
いえ、そんなことはありませんよ。スキャナ保存制度のことを言っているのかと思いますが、今回はその辺を詳しく解説しますね!
2022年から電子帳簿保存法が改正になりました。
電子帳簿保存法の制度の一つである「スキャナ保存制度」は、任意適用になりますので、やるかやらないかは自由です。
ただ、スキャナ保存制度を導入したほうが、業務効率化になる場合があります。
今回は、そんな「スキャナ保存制度」について、まとめました。
ちなみに、2024年から電子帳簿保存法で強制適用になる「電子取引のデータ保存制度」については、下記の記事をお読みください。
- スキャナ保存制度の概要
- スキャナ保存制度のメリット
- スキャナ保存制度での書類保存のしかた
当事務所では、マネーフォワードクラウド、freeeを活用して電子帳簿保存法の改正にも対応しています。
今回解説する「スキャナ保存制度」についても、お困りの方はぜひ、当事務所での税理士顧問契約をご検討いただければと思います!
「スキャナ保存制度」は紙の書類が廃棄できる制度
「スキャナ保存制度」は、紙の領収書や請求書などを、スマホやスキャナで読み取ったデータとして保存する制度になります。
スキャナ保存制度の対象になる書類は、以下の2つの書類です。
- 取引先から紙で受け取った書類
- 手書きなどで作成して取引先に紙で渡す書類
例えば、「契約書」「見積書」「注文書」「納品書」「検収書」「請求書」「領収書」などの書類が対象になります。
逆に、スキャナ保存制度の対象にならないのは、「決算関係書類」になります。
- 決算関係書類とは……
-
「貸借対照表」「損益関係書」「その他決算に関して作成された書類」のことを言います。
スキャナ保存制度は、紙の書類をスキャナすれば無条件に認められるものではなく、一定のルールがあります。
スキャナ保存制度のルールについては、後ほど詳しく解説します。
スキャナ保存制度で業務効率化できる
スキャナ保存制度は、以下のようなメリットがあるため業務効率化できます。
- 書類のファイリング作業や保存スペースが不要
- 経理がテレワークしやすくなる
- スキャナ保存を始める手続きがないため、好きなタイミングで始めることができる
書類のファイリング作業や保存スペースが不要
紙の書類は、一枚一枚、穴あけパンチで開けて、日付順などにファイリングして…などの作業が発生します。
また、ファイリングした書類を何年分も保管しておくとなると、保管スペースも取りますし、コストがかかってくることもあります。
スキャナ保存制度を導入すれば、紙の書類を処分することができるため、ファイリングの手間がかかりませんし、保存スペースも不要になります。
経理がテレワークしやすくなる
経費精算をする際に、「領収書の原本を従業員が経理担当に提出して、それを経理担当が確認して処理する。」という作業があります。
そのために、経理担当はテレワークをなかなか行うことができません。
スキャナ保存制度を導入することで、従業員が立替精算する領収書をスマホで読み取って、経理担当に送付すれば、書類の受け渡しから保存までをスキャナデータのみでできます。
結果、経理担当がテレワークしやすくなります。
テレワークできる職場だと、従業員も定着しやすくなりますね!
スキャナ保存を始める手続きがないため、好きなタイミングで始めることができる
スキャナ保存制度は、税務署に届け出などすることなく、好きなタイミングで始めることができます。
実は、2021年12月までは、スキャナ保存制度を開始する3ヶ月前までに税務署に届出書を提出する必要がありました。
ただ、この届出書の提出がハードルとなり、電子帳簿保存の推進を妨げる要因となっていたため、申請書の提出が不要となった、という経緯があります。
スキャナ保存制度を始める前に、作成・受領した契約書・領収書などの重要書類をスキャナ保存する場合は、あらかじめ、届出書(下記のページからダウンロードできます。)を提出する必要があります。
スキャナ保存制度はクラウド会計を使うのがオススメ
スキャナ保存制度には、保存の仕方のルールがあります。
「スキャナ保存を行うためのルール」は下記の画像の通りです。
この表を見た瞬間に、「スキャナ保存、難しくて無理そう!」となってしまうと思います。
ただ、安心してください。
「マネーフォワードクラウド」「freee」はスキャナ保存制度に対応しています。
「マネーフォワードクラウド」「freee」で登録する仕訳上に書類をアップロードすることで、下記の要件が満たされるようになります。
スキャナ保存を行うためのルールのうち、「入力期間の制限」は、社内でルーティン化しておくべきものと考えます。
「入力期間の制限」では、以下のどちらかで、スキャナ保存しなければならないと言っています。
- 書類を作成または受領してから速やか ⇒早期入力方式
- それぞれの企業において採用している業務処理サイクルの期間を経過した後、速やか ⇒業務処理方式
- 「速やか」とは……
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「おおむね7営業日以内」のことです。
- 「業務処理サイクルの期間」とは……
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書類の作成もしくは受領からスキャンをしてタイムスタンプを付すまでの期間のことを言います。その期間は、最長2ヶ月の期間とされます。
業務処理方式サイクル方式を採用するには、事務処理規定を定める必要があります。
事務処理規定は、国税庁のホームページからダウンロードできます。
「早期入力方式」「業務処理方式」のどちらの方式を導入するにしても、会計処理における一連の流れをルーティン化する必要があります。
ついつい会計業務は後回しになってしまい、決算ギリギリにまとめてになっちゃいますが、それだとスキャナ保存制度は使えませんね……
しっかりと月次処理ができるようにルーティン化をしておきたいですね!
マネーフォワードにおけるスキャナ保存制度
マネーフォワードクラウド会計・確定申告では、証憑添付機能を活用することで、スキャナ保存制度の要件を満たすことができます。
証憑添付機能の使い方は、マネーフォワードクラウドの下記のページをご確認ください。
freeeにおけるスキャナ保存制度
freeeにおけるスキャナ保存制度は「ファイルボックス」という機能を活用して行います。
詳細は、freeeの下記のページの中の「C. 取引先から受領した紙の取引書類を電子保存する」を確認いただければと思います。
まとめ:スキャナ保存制度のハードルはそこまで高くない
今回は、電子帳簿保存法の「スキャナ保存制度」についてまとめました。
スキャナ保存制度は、2022年からの電子帳簿保存法の改正により、届出書などの提出が不要になり、導入のハードルが下がりました。
また、「マネーフォワードクラウド」「freee」のようなクラウド会計ソフトがスキャナ保存制度に対応するシステムを開発しています。
そのため、ユーザーは、「仕訳に証憑をアップロード」などをするだけで、スキャナ保存の要件を満たしてくれます。
この記事を読んで、「マネーフォワードクラウド」「freee」を使って「スキャナ保存制度を導入したい」と思われた方はぜひ、当事務所にご相談いただければと思います!
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