こんにちわ!ひとり社長専門税理士の海老名佑介と申します!(プロフィールはこちら!)
今、日本政策金融公庫の創業計画書を書いているのですが、「8.事業の見通し」をどのように記載すれば良いのかわかりません…
「8.事業の見通し」でつまづいているんですね!
そこは多くのひとり社長がつまづくところです!
日本政策金融公庫の創業融資を受ける際に提出する「創業計画書」ですが、日本政策金融公庫のホームページからフォーマットをダウンロードできます。
この創業計画書のフォーマットの中でも、右下の項目「8.事業の見通し」について、どのように書けば良いかわからないという方が多いように感じます。
そこで、今回は日本政策金融公庫の創業計画書の「8.事業の見通し」の書き方についてまとめました。
この記事を読むことで、日本政策金融公庫の創業計画書の作成をスムーズに進めることができます。
ぜひ、最後まで読み進めてください!
- 日本政策金融公庫の創業計画書の「8.事業の見通し」を根拠を持って現実的に書くことができるようになる。
- 自身がこれから創業する事業の収支計画を見直すことができるようになる。
当事務所でも、税理士顧問契約のなかで創業計画書作成をサポートさせていただいております。
税理士顧問契約をご検討いただける方は、まずは、初回無料面談にお問い合わせください!
売上高の見通しが最重要項目
売上高の見通しが、この収支計画表の中で最重要項目です。
売上高の見通しが決まれば、その先は比較的簡単に数字を書くことができます。
それでは、売上高の見通しはどのように決めれば良いでしょうか?
売上高は「客数×客単価」で決める
売上高の見通しを書くときは、売上高を構成する要素を細分化するのが良いです。
売上高=客数×客単価
売上高は、客数と客単価で決まります。
では、客数と客単価はどのように決めれば良いでしょうか?
さらに詳しく説明します。
客数をどう決めるか?
客数も、さらに細分化して考えると良いです。
客数の考え方は様々にありますが、ここでは一つの考え方の例を説明します。
月の客数=1日あたりの客数×1ヶ月の営業日数
例えば、完全予約制の整体院を開業するとします。
一人あたり1時間の施術の見込み客数を1日6名として、営業日数は25営業日とします。
そうすると、月の客数=6名(1日あたりの客数)×25営業日(1ヶ月の営業日数)で、月の客数が150名になります。
もちろん、1日の見込み客数については、お店のコンセプトによって変わってきます。
例えば、施術時間が30分かもしれませんし、15分コース、30分コース、60分コースなど、コースが時間によって多数あるかもしれません。
とにかく、ここで言いたいことは、見込みの数字はできるだけ細分化して考えたほうが良いということです。
細分化するで、より信頼性の高い数字になってきます。
業種によっては、もっと専門的な指標を用いて割り出すこともできるかもしれませんし、専門的な指標を用いたほうが、より正確になることは間違いありません。
ただ、多くの方が専門的な指標を用いるデータベースもないでしょうから、専門的な指標を用いることは難しいと思います。
そのために、「月の客数=1日あたりの客数×1ヶ月の営業日数」のような、シンプルな計算方法を用いるので問題ありません。
客単価をどう決めるか?
客単価は、ご自身で計画している商品メニューの単価を用いて考えます。
飲食店など商品メニューが多数ある場合は、一人あたりの単価を算出することになります。
近隣店舗の平均的な相場を用いても良いと思いますし、独自で割り出した一人あたりの単価をメニュー表とともに、日本政策金融公庫の担当者に説明するということも考えられます。
これも、算出方法は様々にありますが、より精度の高い客単価を出したいということであれば、専門家などにご相談されることもお勧めします。
軌道に乗った後はいつにする?
日本政策金融公庫の創業計画書の「8.事業の見通し」の項目には、「創業当初」の収支計画と、「軌道に乗った後」の収支計画を記入することになっています。
「軌道に乗った後」の項目には、括弧書きで◯年◯月頃とあり、「軌道に乗った後」がいつのことなのかは特に決められておらず、自身で記入する形になります。
これは、創業する事業によって軌道に乗る時期が違うからです。
ご自身が創業する事業がどのくらいで軌道に乗るかを考えて、任意の時期を書くようにしましょう。
売上原価は原価率が重要
売上原価とは、売り上げた商品の仕入や製造にかかった費用のことを言います。
日本政策金融公庫の創業計画書の「8.事業の見通し」に記載する売上原価は、以下のように計算します。
売上原価=売上高×原価率
原価率は各業種によって、大体把握されているものがあるかと思いますので、その原価率を用いて計算します。
原価率を客観的に示せる資料があれば、それも準備しておきましょう。
経費
ここからは、経費に関する各項目について説明します。
人件費
ひとり社長の場合、基本的に人件費は自身の役員報酬のみになります。
もし、人を雇用する場合は、月額の給料の合計を記載の上、別途内訳の明細を準備しておきましょう。
社長自身の役員報酬は、自由に決められますが、あまりに大きすぎると利益が小さくなってしまいます。
創業融資は、利益の中から返済していきますので、役員報酬を大きくしすぎると、創業融資の返済ができないものと判断されてしまいます。
利益の中から、創業融資が返済出来る範囲で、役員報酬を設定するようにしましょう。
家賃
店舗、事務所、駐車場などを借りる場合は、月額の賃料を記載しましょう。
ひとり社長なので、自宅兼事務所として借りていることも多いと思います。
その場合は、事務所として使用している割合分だけの家賃を記載します。
支払利息
支払利息は、「借入を希望している金額」、「金利」をもとに計算します。
金利は、下記のページも参考にしながら計算します。
例えば、借入希望額が500万円、金利を年2%とします。
年間の支払利息は500万円×年2%=100,000円
よって、1ヶ月あたりの支払利息は、100,000円÷12ヶ月=8,333.333円→8,333円という計算になります。
その他
文字通り、その他の経費(水道光熱費、通信費、交通費、備品、広告宣伝費など)の合計を記載しましょう。
利益
利益は、上記で計算した売上高、売上原価、経費の数字をもとに計算します。
利益=売上高ー売上原価ー経費
借入金は、この利益の中から返済することになります。
「軌道に載った後」の利益は、借入金の月あたりの元本返済額よりも大きな数字になっている必要があります。
この利益が、元本返済額よりも小さい場合は、収支計画を根本的に見直す必要があります。
- ビジネスモデルそのものを見直す
- 役員報酬を下げる
- 無駄な経費がないか検討する
日本政策金融公庫の審査では、「この会社は借りたお金を返済できるか?」ということを見ていますので、必ず利益の中から、元本返済をできる収支計画にしましょう。
利益って自分の手元に残るお金だと思ってました…そこから借入金の返済もするとなると、思っていた以上に利益を上げていかないといけないかもしれないですね。
利益の中から借入金を返済するということは、意外と盲点になる部分のようですね。そういった意味でも、資金繰り予測などは事業計画の中でしっかりしておくべきですね!
別途、1年分の収支計画表も提出する
日本政策金融公庫の創業計画書のフォーマットでは、「創業当初」と「軌道に乗った後」の各1ヶ月分しか記入欄がありません。
ただ、より信頼性のある収支計画を示すには、向こう1年分の収支計画表も提出したほうが良いです。
1年分の収支計画表があることで、季節によって売上が変動するのかどうかなども示すことができますし、日本政策金融公庫の担当者も安心して審査をすることができます。
また、売上高、売上原価、経費の各数字についても、別途、数字の根拠となった詳細な資料を準備しておくと良いでしょう。
まとめ
今回は、日本政策金融公庫の創業計画書の書き方のうち、「8.事業の見通し」にクローズアップして、まとめました。
創業計画書の収支計画の数字は、根拠のある現実的な数字を記載することが重要です。
日本政策金融公庫は、事業の成長性を期待しているわけではありません、
融資したお金を「利息をつけて、しっかり返済していけるかどうか」を重視して審査しています。
これから創業するひとり社長の皆さまは、経営数字に慣れていないという方が多いと思います。
ご自身で創業計画書を作成するのが難しい場合は、専門家に相談されることもお勧めします。
当事務所でも、税理士顧問契約を前提として、創業計画書の作成サポートをしております。
税理士顧問契約をご検討いただける方の中で、創業計画書の作成サポートの詳細を知りたいという方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。
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