こんにちわ!あんしんオンライン税理士の海老名佑介です!(プロフィールはこちら!)
会計ソフトの入力は自分で出てきているので、決算申告のみ税理士の先生にお願いしたいと考えています。
その場合に、会計ソフトの入力で気をつけることがありますので、説明しますね!
会計ソフトへの入力は自分で行って、決算申告のみ税理士にお願いしたい。
そのようにお考えの社長は、それなりにいると思います。
ただ、会計ソフトへの入力は、ある程度、簿記の知識が必要になります。
税理士に決算申告のみ依頼して、いざ、税理士が会計ソフトに入力されたデータを確認したときに、青ざめてしまうことがあります。
税理士に決算申告を依頼する場合、会計ソフトへの入力で多少の間違いがあるくらいであれば、税理士が直してくれるなどしてくれるでしょう。
ただ、多少の間違いにとどまらず、大工事が必要なくらい、修正が必要になる場合は、想定していない手間が発生してしまいます。
そのため、会計ソフトへの入力を自分で行う場合、最低限のところは正確に行っておく必要があります。
そこで今回は、税理士に決算申告のみ依頼する場合に、会計ソフトへの入力で気をつけることについてまとめました。
ちなみに、決算申告の期限ギリギリで、税理士に依頼しても大丈夫か?お悩みの方はこちらの記事もご参考ください。
- 会計ソフトへの入力で最低限気をつけるべきところ
- 会計ソフトに入力したあとに、何をどうチェックすれば良いか?
当事務所でも、顧問契約前提となりますが、完全オンラインにて、決算申告からのご依頼をお引き受けしております。
詳細は、下記をご覧いただければと思います。
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あんしんオンライン顧問税理士の詳細や料金表などは、こちらの記事もお読みください。
会計ソフトの入力チェックは残高試算表で行う
皆さんは、会計ソフトへの入力が一通りできたら、入力したデータのチェックはしていますか?
会計ソフトの入力チェックの仕方の一つとして「残高試算表」で行う方法があります。
- 残高試算表とは……
-
残高試算表は、各勘定科目の残高を一覧にした表です。
その時点での財産状態を示す「貸借対照表」と、ある一定期間の収益と費用、利益を知ることができる「損益計算書」から構成されます。残高試算表は、会計ソフトに日々の取引を仕訳することで、自動的に作成されます。
残高試算表は、どのようにして確認するのでしょうか?
今回は、マネーフォワードクラウドの場合で説明します。
残高試算表は、ホーム画面の「会計帳簿」⇒「残高試算表」のメニューを選択することで見ることができます。
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マネーフォワードクラウドでの試算表の詳しい使い方は、下記のサポートページもご参考ください。
試算表の確認事項は、たくさんありますが、専門的になりすぎるため、この記事では最低限抑えていただきたい点をご説明します。
貸借対照表で確認すること
残高試算表のメニューを選ぶと「貸借対照表」「損益計算書」という表示が出てくると思います。
マネーフォワードの場合、残高試算表のメニューを選んですぐに出てくるのが「貸借対照表」です。
まずは、「貸借対照表」で確認することについて説明します。
貸借対照表上の預金残高が、通帳の預金残高と一致しているか?
「マネーフォワードクラウド」などの会計ソフトと、銀行データを連携していれば、「貸借対照表上の預金残高」と「通帳の預金残高」は一致するはずです。
ただ、下記が原因でずれる可能性があります。
期の途中でデータ連携の抜け漏れが発生している。
クラウド会計に連携される銀行のデータは、インターネットバンキングで表示されている明細を取得する仕組みになっています。
そのため、インターネットバンキングの照会期間が過ぎてしまっていると、その期間分のデータがクラウド会計に取り込まれないということが起きます。
特に、「電子証明書方式」「API方式」という連携方式を取っている場合、定期的に連携するための手続きをする必要があります。
この連携するための手続きを忘れてしまうと、手続きを忘れてしまった期間分だけ、データの抜け漏れが発生してしまいます。
マネーフォワードクラウド会計のサポートサイトにデータ連携の仕組みに関する詳細が、解説されていますので、ご参考ください。
連携したデータと同じ取引を、誤って手入力して、二重登録になってしまっている。
連携した銀行のデータから仕訳登録したものと、同じ取引を手入力してしまった場合は、二重登録になってしまい、預金残高がずれる原因になります。
例えば、クラウド会計の請求書機能を使って計上した売掛金があります。
この売掛金の入金処理を、連携した銀行データの履歴から仕訳登録して、かつ、請求書機能からも手入力で入金処理してしまった場合、二重登録になります。
この場合は、入金を二重登録してしまったため、会計ソフト上の預金残高が実際の預金残高より大きくなってしまいます。
これが原因で、残高がずれてしまっていた場合は、請求書機能から手入力したものを削除することをお勧めします。
二重登録になっていないかは、「仕訳帳」⇒「重複チェック」でも確認することができます。
マネーフォワードクラウドの重複チェック機能についての記事をご参考ください。
開始残高の設定を誤っている
開始残高というのは、期の初めの預金残高のことです。
例えば、事業年度が4月1日~3月31日の場合に、4月1日時点で預金残高が100万円あったとしたら、開始残高が100万円になっていないと、期末(3月31日)時点の残高が、そのままずれ込むことになります。
特に、1期目の場合は、開始残高が0円の場合を除いて、手入力する必要があります。
マネーフォワードクラウドでの開始残高の設定については、下記をご参考ください。
残高がマイナスになっている勘定科目はないか?
貸借対照表のうち、特に、下記の勘定科目の期末残高がマイナスになっていないか確認します。
現金
現金残高がマイナスになってしまっている場合、まずは、入出金の入力間違いがないかを確認しましょう。
また、社長個人のお金で経費立替したものを、現金払いとして仕訳してマイナスになっていることがあります。
社長経費立替の未精算状態が続いているものは、「役員借入金」などの勘定科目で振り替えるようにしましょう。
売掛金、未収入金、前払金などの流動資産
売掛金、未収入金、前払金などの流動資産がマイナスになっている場合は、以下が代表的な原因と考えられます。
- 期首残高が未入力になっていないか(前年度の残高が引き継がれているか)
- 売掛金、未収入金の発生の仕訳が入力されていない(入金の仕訳だけされている)
- 前払金を支払ったときに前払金の仕訳がされているか
- 売掛金、未収入金の発生の仕訳で入力した数字と入金の数字がずれている
建物、車両運搬具、工具器具備品、ソフトウェアなどの固定資産
建物、車両運搬具、工具器具備品、ソフトウェアなどの固定資産がマイナスになっている場合は、以下が代表的な原因と考えられます。
- 資産を取得した際の仕訳が入力されているか(減価償却費だけ計上されていないか?)
- 期首残高が未入力になっていないか(前年度の残高が引き継がれているか)
買掛金、未払金、未払費用など流動負債
買掛金、未払金、未払費用などの流動資産がマイナスになっている場合は、以下が代表的な原因と考えられます。
- 期首残高が未入力になっていないか(前年度の残高が引き継がれているか)
- 買掛金、未払金、未払費用の発生の仕訳が入力されていない(支払の仕訳だけされている)
- 買掛金、未払金、未払費用の発生の仕訳で入力した数字と支払の数字がずれている
残高管理のために補助科目を活用した方が良い
貸借対照表の各残高がマイナスになっている原因を、より明確に把握するためにも、補助科目を活用したほうが良いです。
例えば、売掛金であれば、取引先ごとに補助科目を作成します。
売掛金に「取引先A」「取引先B」「取引先C」……と補助科目をつけて、各補助科目ごとの総勘定元帳(補助元帳)を確認することで、何が原因でマイナスになっているか把握しやすくなります。
- 総勘定元帳とは……
-
勘定科目ごとの取引の一覧表のようなものです。
仕訳帳で作成した仕訳を、勘定科目ごとに転記して作成します。
会計ソフトでは、仕訳入力すると自動的に総勘定元帳に転記される仕組みになっています。
金融機関から融資を受けている場合、融資残高が実際の残高とズレていないか?
金融機関から融資を受けている場合、以下が原因で融資残高が実際の残高とずれてしまうことがあります。
- 借入金が入金されたときの仕訳が正しく入力されていない
- 期首残高が入力されていない(前年度の残高が引き継がれていない)
- 元本返済と利息を分けて仕訳計上できていない
借入金の残高は、融資を受けた際に、銀行から送られてくる借入金返済明細表を見るとわかります。
また、借入金についても、借入先ごとに補助科目を作成した方が良いです。
給料から天引きする所得税、住民税、社会保険を預り金として計上できているか?
給料支払いの仕訳をする際に、天引きする所得税などを預り金として計上できておらず、「支払額」=「役員報酬」「給料手当」で仕訳していないか確認しましょう。
例えば、役員報酬から所得税、住民税、社会保険を天引きした場合は、振替伝票にて、下記の仕訳をすることになります。
マネーフォワードクラウドを使用している場合、「マネーフォワードクラウド給与」を使って給与計算している場合は、給料の仕訳を手入力せずに、仕訳データに反映させることができます。
損益計算書で確認すること
残高試算表の「貸借対照表」の表示の隣りにある「損益計算書」の表示をクリックすると、損益計算書の画面が出てきます。
ここでは、損益計算書で確認することについて説明します。
売上や仕入、外注費を二重計上していないか?
「売上や仕入、外注費を二重計上していないか」は確認したほうが良いです。
例えば、売掛金の発生の仕訳を計上したときに、売上は計上されています。
それにも関わらず、売上の入金があったときに、売掛金回収の仕訳をするのではなく、売上計上してしまうと、二重計上になってしまいます。
仕入や外注費も同様です。
二重計上になっていないかどうかの確認は、上記でも説明した重複チェックという機能がマネーフォワードクラウドにありますので、活用をお勧めします。
クレジットカード利用したものを二重計上していないか?
クレジットカードのデータも、クラウド会計と連携ができます。
クラウド会計と連携したデータから経費を登録しているにも関わらず、クレジットカード利用の領収書からも手入力してしまうと、二重計上になってしまいます。
特に、クレジットカードの領収書と現金払いの領収書を一緒に保管していると、どれがクレジットカード利用の領収書かわからなくなり、手打ちで入力してしまうことが起きます。
ここでもやはり、重複チェックを行いましょう。
融資を受けている場合、借入金の元本返済を経費計上していないか?
上記の「金融機関から融資を受けている場合、融資残高が実際の残高とズレていないか?」でも説明しましたが、元本返済と利息を分けず経費計上してしまっていないか確認した方が良いです。
元本返済は、借りたものをただ返しているだけですので、経費になりません。
元本返済が経費だったとすると、借入金の入金があったときも売上になるはずですが、そうはなっていません。
無駄にオリジナルな勘定科目を作成して使用していないか?
自分で会計ソフトに入力するとき、初めは意気込んでオリジナルな勘定科目を作成して、経営管理をしようと考える方がいます。
ただ、オリジナルな勘定科目はあまり使わない方が良いです。
その理由は単純に、勘定科目が多くなればなるほど、見づらい決算書になってしまうからです。
税務署や金融機関が決算書を見たときにも、同様に見づらいと感じてしまいます。
デフォルトで存在する勘定科目をできるだけ使用することを個人的にはお勧めします。
まとめ:会計ソフトの入力の精度を高めてから、税理士に決算申告のみ依頼した方が良い
「コストを抑えるために、税理士に決算申告のみを依頼したい」と考える方が多いと思います。
ただ、会計ソフトの入力において、今回の記事で解説したようなことが出来ていないと、税理士側で修正事項が多数発生することになってしまいます。
いくらご自身で会計ソフトに入力されていたとしても、税理士は、会計の内容を、すべて確認する必要があります。
修正事項が多ければ多いほど、税理士の手数が増えますので、それに伴って、料金が当初の見積もりと変わってしまう可能性は高いです。
会計ソフトの入力内容については、蓋を開けてみなければわからないことのため、依頼を引き受けてから発覚することが多いからです。
今回の記事を読んでいただければ、ご自身でしっかり会計ソフトの入力ができているか、ある程度確認できます。
ぜひ、参考にしてください!
当事務所でも、顧問契約前提となりますが、決算申告のご依頼を承っております。
当事務所のオンライン決算申告に関する詳細は下記の記事もご参考ください。
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